笑売人 林正之助伝―吉本興業を創った男

現代にいたる「笑いの吉本興業」をつくった林正之助さんの伝記です。もともと吉本を創業したのはこの人のお姉さんの「吉本（旧姓・林）せい」さんですが、彼女の弟であり、片腕として活躍したのが正之助さんです。戦後、吉本が発展したのは、この正之助さんの力が大きかったことがわかります。著者の方は正之助さんの部下であったようですね。文面からは正之助さんの息づかいが伝わります。１９００年頃に生れ、平成の時代の初期まで生きて（９２歳）、その頃まで現役で吉本を経営していたとのこと。演芸界のゴッドファーザーのような存在だったのでしょう。近時は朝ドラマの「わろてんか」で吉本せいさんが有名になってきてますが、この弟の正之助さんもまたひと味違った面白さをもっていたことがわかりました。二人の姉弟が両輪となって吉本興業を発展させた歴史の一コマを伝えてくれる本です。